診療内容

免疫療法とは?

 細菌やウイルスを含む大気の中で生活している私たちの体の中には、異物の侵入を 防ぐ働き『免疫』が備わっております。免疫には、下記の3種類のシステムから成り立っています

この獲得免疫の力をより強くして、ウイルスや細菌、がん細胞などを攻撃し追い出そうとするものが免疫療法です。免疫療法では、樹状細胞とよばれる免疫細胞が体内の異物の特徴(抗原)を認識し、特殊なリンパ球(ヘルパーT細胞や胸腺から出てくる幼弱なT細胞)にその特徴を覚えさせ(抗体をつくる)そのリンパ球が異物のみを攻撃するようになります。このため、効率的にがん細胞やウイルスを死滅させることができるのです。

     **下記の作業仮説を参照





BCGを用いる免疫療法の歴史

 この免疫療法は、1970年ごろに故 阪大総長 山村雄一先生の教室で研究開発したもので、同教室の 林 昭 先生が単独がんワクチン療法として進められてきたものです。林先生は、その後 大阪成人病センターでの臨床研究を経て、CI林免疫療法クリニックを開設され長年にわたりこの免疫療法を続けてこられました。2004年にはカナダのモントリオールで開かれた国際免疫学会でもみとめられ、実用化樹状細胞療法の第一号として40年以上になります。
また、この免疫療法に使用するBCGは牛型結核菌の細胞膜骨格成分をもとにしており、それを調整して接種液となっています。生きた結核菌ではありません。
以下は、林 昭先生が臨床効果とその特徴についてまとめられたものです。




臨床効果とその特徴

林 昭 先生 著

BCGを用いた免疫療法剤を接種すると、接種部位に典型的な炎症反応(発赤・硬結・潰瘍)をおこします。この反応が免疫反応であり、活性化されていく免疫力の目安となります。
 副作用は経験上ほとんどありませんが、時に接種日当日、あるいは翌日の発熱、リンパ管炎肝機能異常を伴うことがあります。一過性の反応であり数日で消失し、摂取量を減らすことで防ぐことができます。
がんだけでなく、感染症、アレルギーにも効果がある多目的治療法で、その対象疾患は次の通りです。



以上のように40年来の経験から見まして、この療法を続けてきた患者たちは、同年齢の健康人に比べてより健康なようです。つまり、かぜなどの感染症にかからない身体ができたことがその結果につながっていると考えます。




BCGを用いる免疫療法の実際